いい月だな、とあやめは露天風呂から外を眺める。
海に映る月が波に揺れてキラキラと光るさまがなんとも言えず、いい感じだ。
時間が遅くなったので、街の灯りは少なくなっていたが、代わりに、漁船の灯りがぽつぽつと暗い海に浮かんでいる。
思ったより風も強く、潮の香りがあやめのいる場所までしていた。
じっと海の方を見ていると、潮の香りのせいもあり、自分も温かい海水に浸かっている気分になる。
いや、海だと思うと、裸なので、ちょっと気恥ずかしくなってくるのだが。
そういえば、専務は遠慮して奥に引っ込んでくれたけど。
これって、外から丸見えなんじゃ……とあやめは気づく。
下にあるホテルの駐車場からは角度的に見えないと思うけど。
漁船の人が双眼鏡持ってたら見えるな。
いやまあ、見ないと思うが……。



