夕食には、部屋とは別に、まだ木の香りのする真新しい個室が食事用に用意されていた。
足を下ろせる、洒落た感じの掘りごたつが暖かく。
そこに入って、小さなグラスで出て来た地酒飲み比べセットを、きゅっとやると最高だった。
あやめは木桶にもられたカニを食べながら言う。
「このカニ、すごいですっ。
どうして、こんなに味があるんでしょうっ。
身を取るのも、なんだか簡単だし。
すごいカニですね」
「……カニは別にお前に都合よく、身を取り出されるために、そんな感じに生まれてきたわけじゃないだろうけどな」
と言いながら、基はあやめが上手く取れなかった部分を小器用に取って皿に入れてくれる。
「ありがとうございます。
もう最高ですっ。
カニミソもぐつぐつ言ってますしね」
目の前の七輪で、カニの甲羅に入ったカニミソがカニの脚とともに炭火で焼かれている。
そこに生牡蠣がやってきた。



