100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 雪山で遭難して、見つけた宿が此処で、たまたまあの部屋しか空いてなかったとか。

 ……我々の身に起きそうだな。

 などと考えながら歩いていたが、あやめは、ふと、気づき、足を止める。

「どうした?」
とあやめがついて来なくなったことに気づいてか、基が振り返り、訊いてきた。

「すみません。
 今、気がつきました。

 私がお風呂に行ってる間、専務が露天風呂にゆっくり入られたらよかったんじゃないですか」
 
「それを言うなら、お前こそ、楽しみにしてたんだろう、海の見える露天風呂。

 俺に付き合わずに、ひとりで入っててもいいんだぞ。

 ……いや」

 突然、いや、と呟く基に、

「いや、なんですか?」
とあやめが飲み込んだ言葉の続きをうながすと、

「俺がいない間に、誰かがお前にバスタオルでも持ってきたら困るから、やめておこう」
と言って歩き出す。