温かいシャツが買えなかったので、せめて、二人で温かい抹茶ぜんざいを食べることにした。
「すまない。
俺が余計なことを言ったせいで、シャツが買えなかったな」
と正気に返った基が言ってくる。
「いや……、いいです。
お気持ちはありがたくいただいておきます」
基は、すまない、とまた謝ったあとで、そこに、なにがあるのですか、というくらい抹茶ぜんざいの中を見つめて言ってくる。
「つい、焦ってしまったんだ。
このペースでは、旅の間に100個叶えられそうにない。
お前に告白できないじゃないか。
そう思ってしまって」
いや、してます。
今も――。
そして、そんなあなたのせいで、私も顔を上げられなくなって、特になにも変わったものもないのに、抹茶ぜんざいをただひたすら見つめてしまっているではないですか。



