うん、と基は深く頷き、言ってきた。
「この旅の、何処でお前を口説いたらいいのかと思ってな」
専務、此処、境内です……。
しかも、観光寺なので、むちゃくちゃ人が行き交っています。
ちょうど基の言葉が聞こえたらしい老夫婦が、思わずと言った感じで、こちらを振り返っていた。
そういえば、此処は精進料理で有名な寺だった。
銀杏の季節ではなくとも、訪ねてくる人は多いのだろう。
周囲の観光客がみな聞いている気がして恥ずかしく、うつむくあやめに、基が言ってくる。
「俺のような人間が、誰かを口説こうとかおかしいか」
いえ、そうではなくて、場所がですね、ちょっと――。
ある意味、すごい人だな、とあやめは思っていた。
「この旅の、何処でお前を口説いたらいいのかと思ってな」
専務、此処、境内です……。
しかも、観光寺なので、むちゃくちゃ人が行き交っています。
ちょうど基の言葉が聞こえたらしい老夫婦が、思わずと言った感じで、こちらを振り返っていた。
そういえば、此処は精進料理で有名な寺だった。
銀杏の季節ではなくとも、訪ねてくる人は多いのだろう。
周囲の観光客がみな聞いている気がして恥ずかしく、うつむくあやめに、基が言ってくる。
「俺のような人間が、誰かを口説こうとかおかしいか」
いえ、そうではなくて、場所がですね、ちょっと――。
ある意味、すごい人だな、とあやめは思っていた。



