100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 


 境内に戻ると、銀杏ももう終わっているのに、境内には結構、人がいた。

 黙って前を歩いていく基のコートの背を見ながら、あやめは思う。

 桜はないわ、銀杏はないわ、おはこだわ。

 1分で乗り換えないとトリックが完成しないわ。

 そりゃ、不機嫌にもなるよね、と。

 せっかく専務、私の旅行計画に付き合ってくれたのに――。

「専務、すみませんでした」
とあやめが謝ると、基が振り返る。

「私の計画がいたらないばっかりに、無駄足ばかり踏ませて。
 つまらなかったですよね」
と謝ったのだが、基は、

「いや、すまん」
と何故か、謝り返してきた。

「不機嫌だったわけではないんだ。
 ずっとよそ事を考えていた」

「なにを考えていたんですか?」

 自分が専務を怒らせたのではないとわかって、ホッとしながら、あやめは訊く。