「あ、ありがとうこざいます、専務。
でも、ほんとにもういいです。
戻りましょう」
と説得し、一緒に戻りながら、あやめは思っていた。
桜も銀杏も見られなかったけど。
でも、この季節で、ちょっとよかったな、と。
専務のあたたかそうなグレーのロングコート。
よく似合ってて格好いい。
黒の革の手袋も素敵だ。
……いや、それで惚れるとかではないのですが、と誰にともなく言い訳しながら、左右を草に囲まれた小道を歩いていたのだが。
緊張感が少しほぐれたせいか、さっき通ったときには、目に入らなかったものが見えてきた。
草むらに、転々と小さな石仏があって、いい雰囲気だ。
苔むした石仏には全部、番号がふってあるようだった。
柔和な顔の石仏を見て微笑んだあやめに気づき、基が足を止める。
でも、ほんとにもういいです。
戻りましょう」
と説得し、一緒に戻りながら、あやめは思っていた。
桜も銀杏も見られなかったけど。
でも、この季節で、ちょっとよかったな、と。
専務のあたたかそうなグレーのロングコート。
よく似合ってて格好いい。
黒の革の手袋も素敵だ。
……いや、それで惚れるとかではないのですが、と誰にともなく言い訳しながら、左右を草に囲まれた小道を歩いていたのだが。
緊張感が少しほぐれたせいか、さっき通ったときには、目に入らなかったものが見えてきた。
草むらに、転々と小さな石仏があって、いい雰囲気だ。
苔むした石仏には全部、番号がふってあるようだった。
柔和な顔の石仏を見て微笑んだあやめに気づき、基が足を止める。



