列車を降りたあやめたちは、あやめの計画表に従い、少し山の方を歩いてみていた。 「専務、此処は桜の名所らしいです」 「ほう。 ……冬だが」 うっ。 不機嫌っ! 確かに微妙な山だった。 立ち枯れた感じに、わびさびがあっていいわけでもなく、雪もない。 花見をするのによさそうな、だだっ広い広場があるだけだ。 ……時期を誤ったようだ、とあやめは思った。