乗り換えの駅に着くと、基は、
「あやめっ、急げっ」
とあやめのキャリーバッグも持ち、急いで、列車から降りていった。
「ええっ? どうしたんですかっ?」
と言いながら、慌てて追いかけるあやめに、
「どうしたんですかじゃないっ。
乗り換えの列車に間に合わないだろうがっ」
と基は言ってくる。
「いやー、別に乗れなきゃ、次に乗っても――」
「なに言ってるんだ。
こんな田舎、一本乗り遅れたら、次、いつ来ると思ってるんだっ」
「……殴られますよ~。
此処の人たちに殴られますよ~」
と言いながら、一緒に階段を駆け上がる。
「一番端のホームだっ」
「ええっ?」
「乗り換え時間は1分だっ。
無茶だぞ、このトリック!」
殺人は不可能だっ、と言い出す基に、
「いやだから、殺人計画じゃなくて、旅行の計画なんですってば~……」
と息を切らしながら言っているうちに、発車のベルが鳴り響いたが、ギリギリ乗れた。



