「……はい」
警戒しているあやめの返事は前回より短かった。
基は、そうか、と頷いたあとで、
「まあ、気負わず、頑張りなさい。
新しいところに変わると、すぐには休みも取りにくいだろうが、遠慮せず、浜波にでも相談して」
と上司の威厳を保ったまま言うと、あやめは少し警戒を解き、
「はい、ありがとうございます」
と礼を言ってきた。
が、基は内心。
実際のところ、今、休みとれないだろう。
旅に出るとしても、一泊か? あやめ。
などと悲しい計算をしていた。
「浜波に言いにくいようなら、私に直接言ってくれてもいいから」
……休みをとるときは、必ず、俺に言えよ。
「たまには実家に帰って、親御さんに顔でも見せてあげなさい」
と言うと、あやめは、
いや、この間、帰ったばかりですよね、という顔をしていた。
警戒しているあやめの返事は前回より短かった。
基は、そうか、と頷いたあとで、
「まあ、気負わず、頑張りなさい。
新しいところに変わると、すぐには休みも取りにくいだろうが、遠慮せず、浜波にでも相談して」
と上司の威厳を保ったまま言うと、あやめは少し警戒を解き、
「はい、ありがとうございます」
と礼を言ってきた。
が、基は内心。
実際のところ、今、休みとれないだろう。
旅に出るとしても、一泊か? あやめ。
などと悲しい計算をしていた。
「浜波に言いにくいようなら、私に直接言ってくれてもいいから」
……休みをとるときは、必ず、俺に言えよ。
「たまには実家に帰って、親御さんに顔でも見せてあげなさい」
と言うと、あやめは、
いや、この間、帰ったばかりですよね、という顔をしていた。



