100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 あのとき、無言で履歴書を眺めたあと、笑いもせずに、こちらを見て言ってきた。

「この写真は君ので合っているのか?
 写真の方がいいようだが」

 写真屋さんが特別うまかったんですよ……。

「いろいろと資格を持っているんだな。
 だが、どれもせいぜい、二級程度のようだが、なにか極めたものはないのか」

 ……評判でしたよ、控え室で。

 あの専務はイケメンだが、息が止まりそうなことを平気で言ってくると。

 気難しくて、近寄りたくないというのは、私だけの感想ではないんですよ。

 でも、あなたに近づいて――。

「この映画のヒロインは莫迦なのか?
 ずっとわめいているだけで、なにも行動を起こさないが」

 ……余計にそう思いましたけどね。

 でもじゃあ、破談にしたいのかと問われると――。

 などと、あやめは、いろいろと考えていたが。

 基はすでに、こちらのことなど忘れたように、スクリーンを見つめている。