100-3は? ~なにもかも秘密な関係~





 あやめがデスクで溜息をついていると、なにやら楽しそうに浜波がやってきた。

「古川ー。
 なにか悩みごとー?」

「はあ、そうなんです」
と浜波の方に向き直り、あやめは訴える。

「実は、昨日の夜から悩んでるんですけど」
と切り出すと、浜波は、いかにも頼りになる先輩風に、うんうん、と頷いて聞いてくれる。

「浜波さん。
 化粧水の瓶って、いつ、捨てたらいいんですかね?」

 浜波の頷きが止まった。

「あれって、振ったら、いつまでも、なにかが出てきて、いつ捨てていいのかわからないですよね?」

「なにかって、化粧水でしょ。
 っていうか、確かに振ったら、いつまでも出てくるけど。

 オフィスでの肌の渇きを癒すほどには出てこないわよ。
 今すぐ買い替えなさいっ」
と怒ったように浜波に言われる。