「おはようございます、あやめ様」
と朝食の席に行くと、高倉が爽やかに挨拶してきたが、あやめはまったく爽やかではなかった。
「全身が痛いです……」
「何故ですか」
「あの、昨日、高倉さん、夜、見回りしてらっしゃいました?」
と訊くと、
「何故ですか?」
と問われたので、昨夜のことを話すと、
「いやー、それは私ではないですねー」
と高倉は言う。
「……高倉さんじゃなかったんですね」
と青ざめて言って、
「なにやら残念そうですね。
それは、私になら、夜這いをかけられてもよい、ということですか?」
と言われた。
「いや……、そんなわけないですよね?」



