100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 見回りの人かな?
と思ったが、ぴたりとあやめの部屋の前で、その足音が止まる。

 ひっ、とあやめは息を呑んだ。

 ……専務じゃないよね?

 なんだかんだで優しいし、私を好きだと勘違いしたまま、襲いに来たりはしないよね。

 だが、足音は、そのまま動かない。

 この部屋に鍵はないし、下手に動いて、音を立ててしまうのもなんだか怖い。

 息をひそめて、じっとしいてると、やがて、そのまま足音は去っていった。

 今のはなにっ?
とあやめは首を引っ込めたカメみたいに布団にもぐり、そのまま朝まで寝ていた。