100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「お前、俺が降りたところで降りなかったろ。
 あっちの駅の方が近いのに」

「……そうなんですか」
とぼんやり相槌を打つ。

 しばらくすると、ミントがたっぷり入った清涼感あふれるモヒートがやってきた。

 喉が渇いていたので、半分くらい一気に呑んだあとで、ようやく訊いた。

「専務、なんでいるんですか」

「友だちに呼ばれたからだ」

「専務ってコンパに呼ぶことできるんですか」

「なに、お座敷がかかったみたいに言ってるんだ。
 俺だって、友だちに呼ばれたら来る」
とすごく普通の人間が言うようなことを言ってきたのだが、社内での偉そうな基の姿しか思い浮かばないので、ピンと来ず、ああ、そうですか、とまた流してしまった。

「食べなよ、あやめ。
 美味しいよ、このチキン」

「ああ、ありがとう」
と紗千香と会話し、基と二人、チキンをもらって、つついたあとで、また、あやめは基を見て言う。