あやめが部屋にいると、誰かが部屋の扉をノックした。
思わず、身構えたが、聞こえてきたのは、高倉の声だった。
「あやめ様、ご夕食の準備ができましたよ」
夕食は基ととるようにしているので、やはり、基は帰ってきているのだろう。
あやめは扉を開け、遠慮がちに高倉に言う。
「あのー、部屋で食べたいんですけど」
「駄目です」
「じゃ、じゃあ、私は、あとで……」
「駄目です」
あやめ様、と高倉は少し強めの口調で言ってきた。
「基様は、あなたに、きちんと自分の気持ちを伝えられたのではないですか?」
どきりとしていると、高倉は、更に教えさとすように言ってくる。



