家に帰るのが怖いんですが……。
おうちにオオカミさんがいます。
違う。
おうちに、半端なオオカミさんがいます。
そんなことを思いながら、そうっと玄関から入って、周囲を見回していると、いきなり真横から、
「基様はまだおかえりではありませんよ」
と声がした。
ひっ、とあやめは息を呑む。
まったく気配をさせずに、真横に高倉が立っていたからだ。
だから、あなたは何者なんですか、と思いながら、あやめは言った。
「いや~、私の方が専務より先に出たのはわかってたんですが。
……なにかあの人、ワープとかしてそうで」
「それではランプの精ではなくて、宇宙人ですねー」
と高倉は言うが。



