翌朝、あやめが朝食の席に行くと、基が挙動不審だった。
いや、ぱっと見落ち着き払っているのだが、目が何処を見ているのかわからないというか。
視線を合わせようとしても合わない。
出かけるときも一緒に玄関を出て、ガレージに行ったのだが、まったく目が合わない。
あやめは車に乗ろうとして、やめ、基の車の側まで行くと、その窓を叩いた。
一瞬、迷ってから、基が窓を開けてくれる。
「なんだ」
……いや、何故、正面を見て言うのですか。
「いや、行ってきます」
「うん」
「行ってきます」
「うん」
「目を合わせてください」
と言うと、基は、フッとこちらを見て、パッとそらした。



