しまった。 オウム返しのように莫迦なことを訊いてしまった、と思いながら、あやめは部屋に戻ってた。 いきなり専務があんなこと言うから。 専務が私なんかを好きとか。 そんなこと絶対ないのに、と笑いながら戻ろうとすると、何処からともなく、高倉が現れた。 「あやめ様、なにか必要なものなどございませんか?」 「いや、特にないですけど……。 ああ。 あ、いえ、なんでもないです」 と言葉を濁すと、 「なんなりとお申し付けください。 用事がないと暇なので」 と言われる。