100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「でも、美味しいです、此処のお寿司。

 特に、いなり寿司が。

 いなり寿司といえば、神社の参道近くのお蕎麦屋さんのいなり寿司が好きなんですよね~。

 すごく味が染みてて美味しいんですよ。

 二個食べたら、胸焼けがするくらい甘辛くて」

「それ、美味いのか……?」
というような会話をした気がするのだが、何故だか、よく覚えていない。

 目の前にいるあやめが平日だが、家族連れのいる動物園を見回し、言ってくる。

「今度ゆっくり来たいですねー。
 あんまり見る暇なかったから」

 ……誰と?

 誰と動物園に?

 俺とか? あやめ。

 それとも深い意味もなく、言ってみただけなのか?

 そう思ったとき、あやめと近距離で目が合ったので、つい、そらしてしまった。

 なんだか負けた気がする……、
と思う基は、そらした弾みで、大きく伸び上がったミーアキャットと目が合ってしまったので、仕方なく、そのまま見つめ合っていた。