100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「どうしたの?」
と訊く。

 内藤はスマホを手にしていたので、思わず、また、あの彼女にこっぴどくやられたの? と訊きそうになったが、ぐっとこらえる。

「いや、昨日、大学のときの友だちと呑みに行ったんですけど。
 妙な話を聞いたんですよ」

 そう内藤は浜波を見上げて言った。

「妙な話?」
と訊き返した浜波に、内藤は言う。

「『お前の会社に産業スパイが居る』」

「そりゃどっかに居るでしょうよ」
と駆除しても必ず居るゴキブリかなにかのように浜波は言う。

「『その産業スパイは、ガードが甘い新米役員のところに居る』」

「……ガードは甘くないけど、最近、新しく役員になったのは、専務だけね。
 役員のところに居るって言い方だと、……秘書室?」

 浜波はぐるりと秘書室の中を見回しているようだった。