「どう? 古川。
こっちの秘書室には慣れた?」
専務室の横にある小さな秘書室で浜波が訊いてくる。
「はいっ、最高ですっ」
とあやめが言うと、
「あら、そうなの?
こんなにハードだなんて聞いてませんでしたっとか、音ねを上げるところが見てみたかったのに~」
と浜波はつまらなさそうに言ってくる。
確かに、出社して来ない会長の秘書だった頃に比べると、格段に忙しくなったし、神経も使うが。
ぼうっとしているより、時間が経つのが早いし、此処は命じられる仕事の効率もいいので、働いていて、気持ちがいい。
「あーあ。
散々働かせておいて、歓迎会とか言ってお昼ご馳走して。
アメとムチで私に忠実な後輩に仕立て上げようと思ってたのに~」
と残念がる浜波に、あやめは、
「そんなことしなくても、もうなってますよ~」
と笑って言ったが、横に居る内藤がひとり渋い顔をしているのに気がついた。



