「失礼しました」 と言ってあやめが一礼し、出て行った。 ぱたん……と閉まった扉の音を聞きながら、書類に目を落としたまま、基は思う。 あやめに褒められたな。 ……うん、褒められたようだ。 『ありがとうございます』の一言に込められた気持ちが、あやめの声色から、目の端でとらえていた彼女の表情から、よく伝わってきた。 あやめを此処に呼んでよかったようだ。 基は窓の方を見た。 さっきまで、今日は日差しが強すぎて眩しいな、と思っていたのに。 今は、爽やかないい天気に見えた。