高倉に見送られて玄関を出たあやめは、一緒にガレージに向かいながら、基に訊く。
「あのー、高倉さんって、何者なんですか?」
「さあ?」
いや、さあってな、と思っていると、
「知り合いに雇ってやってくれと、うちの親が頼まれたらしいんだ。
ちょうど俺が此処でひとり暮らしを始めたころだったんで、こっちに回されたようだ」
と基は言った。
「……そうなんですか」
相当変わった人だから、何処のお屋敷でも持て余して、たらい回しにあっているとか?
いや、それなら、わざわざ雇ってやってくれなんて言われないか、と思いながら、自分の車のドアに手をかけたとき、基が言った。
「その車、一応、直ったようだが、いきなり止まってもいけないし。
こっちに乗ってくか?」
「あー、いえ、大丈夫ですよ」
新しい車は来月頭の大安に納車のようだった。



