基は機嫌よく部屋に戻ろうとしていた。
あやめが戻ってきたからでは、決してない。
実家に一度帰ったのをいいことに、このまま戻ってこないんじゃないかと、ちょっと不安に思っていたのに、あっさり帰って来たからなどでは、決してない。
そんなことを考えていたとき、高倉の姿が見えたので、
「すまないが、なにか冷たいものを」
と言いかけると、
「冷たいものなら、あやめ様の部屋にありますよ」
と高倉は言ってきた。
ちょっと意味がつかめないでいると、
「ありますよ、たくさん」
と付け足してくる。
「あやめの部屋になにをした……?」



