「あやめ様」
と部屋の前に立って、高倉は笑う。
そういえば、この人、なんでついて来たのかな?
とあやめは此処まで来て、やっと、その不自然さに気がついた。
今更、部屋の位置を迷ったりはしないし。
お風呂の準備も人にしてもらうほどのものではない。
そんなことを考えていたあやめに、高倉が言う。
「ふふ、中に入ってお楽しみください」
なにをっ!? と身構えるあやめを置いて、高倉は去って行ってしまった。
自分の部屋だというのに、あやめは緊張して、扉を開ける。
ホテルのように綺麗に清掃してあるが、特になにも変わったところはない。
でも、高倉さんのことだ。
きっと、なにかあるに違いないっ。
あやめは、そっと風呂場につづく脱衣場のドアを開けてみた。



