日曜の夜。
実家でゴロゴロな休日を過ごしたあやめは基の家に向かっていた。
バス停から、てくてく歩いてたどり着いた、ちょっと大正ロマン風にも見える大きな洋館の玄関を見上げる。
今から、ただいまって、この扉を開けるんだよな。
ちょっと不思議な感じだな、とあやめは思っていた。
この間まで、顔が整い過ぎているうえに、無愛想な専務とは、目が合っても緊張するので、さりげなく視線をそらしたりしていたのに。
その専務の家に、ただいまって帰るとか。
と、ちょっと感傷にひたりそうになっていたのだが、あまりの寒さに、すぐ扉を開けていた。



