会議室での、他の役員との会食中、基は全然違うことを考えていた。 専務がいないのなら、実家に帰ってきます、とは、どういう意味なんだろうな? 俺がいるから、あそこにいるのか? あやめ。 俺がいないのなら、いる意味はないということか? などと考えていて、 「……ご機嫌ですね、専務」 と側にいた内藤に小声で言われる。 基は気づいていなかったが、周りの役員たちも不気味がっていた。 笑顔、笑顔だ、あの専務が……。 なにがあったんだ……? とひそひそと話している。