ぼんやり景色を見ている間に、新幹線は目的地に着いていた。
あやめが新幹線口を出ると、ちょうどロータリーを大型のSUVがゆっくり回ってくるところだった。
あやめの前で止まったその車から男が呼びかけてくる。
「あやめ」
一見、爽やかなイケメンに見える、あやめの従兄弟、朔馬だった。
「朔ちゃん、ありがとう」
この時間に着くと実家に連絡したら、朔馬が迎えに来てくれることになったのだ。
あやめが大きな車によいしょと乗ると、すぐに朔馬が笑顔で言ってくる。
「久しぶりだな、あやめ。
OLになっても、大人っぽくも、綺麗にもなってないが、元気でやってるか?」
……うっ。
身内の意見、厳しすぎるっ。
っていうか、元気でやってるか? の前のその枕詞、必要? 朔ちゃん、と思いながらも、
「元気だよ」
ととりあえず、笑顔を作って言ったあやめに、
「仕事はどうだ?」
と朔馬が訊いてくる。



