高台にあり、ガラス張りなので、そのレストランは見晴らしがいいので有名だった。
中に入ると、すぐに支配人がやってきた。
「予約してた神室だが」
「お待ちしておりました」
と微笑み、頭を下げる支配人について、落ち着いた調度品のある店内を通り抜ける。
基が支配人に、
「今日は、980円のランチで申し訳ないな」
と言っていた。
「この娘が、どうしても、それが食べたいと言うものだから」
いえいえ、と支配人は愛想良く言ってくる。
「大変お得なセットになっております。
安くても、当店自慢のメニューが詰め込んでありますので。
食べてみたいとおっしゃっていただけると、嬉しいんですよ」
とあやめにも微笑みかけてくれた。
細い廊下を抜け、
「こちらです」
と離れた場所にあるゴージャスな個室に通される。
……980円のランチなのに。
この人が予約なんぞしたからだな、とあやめは思った。



