100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 



 今日も、基はまだ帰ってはいなかった。

「遅くなりそうなので、先にお召し上がりくださいとのことです」
と高倉が言う。

 この間は、そう言われても、待っていたのだが。

 今日は、酒の席にも少し付き合うので、食べないかもしれないと言われ、あやめは、ひとり、広い食堂で夕食をとった。

「お寂しいですね」
と給仕しながら、高倉が言ってくる。

 豪奢な食堂を見回した高倉が、
「テレビとかないですもんね」
と言うので、

「そうですねー。
 なにか音が欲しいですねー」
とあやめは、なんとなく言った。

 すると、
「なにかクラシックでも流しましょうか」
と言われる。