金曜日。

 あやめがデスクで帰り支度をしていると、浜波がやってきた。

「来週から、うちに来るのよね、古川。
 ああ、楽しみ~」
とにんまり笑って、浜波は言う。

「あんた、ぼちぼち仕事できるらしいから、あれもこれも任しちゃえ~」
とか恐ろしいことを言っている。

 今にも、シャランラ~とか言って、仕事をせねばならない魔法をかけてきそうだ。

 ひい、と固まっていると、内藤が、
「浜波さん、俺が入ったときも、そんなこと言ってましたよね?」
と横から口を挟んでくる。