愛は惜しみなく与う③


「志木と言うのは苗字ですか?」

「んーん?志木は名前やで!東堂 志木。東堂財閥の歴史の中で最も長く仕えてくれてる、執事家系やで」


やはり、東堂にはいると、苗字は東堂になるんですね。


「志木はほんまに、あたしの世話係なだけ」


そう言った杏は、そう言い聞かせているようにも聞こえて、それ以上聞くことはできませんでした


泉達の恋を応援したい気持ちもありますが
泉の言うように、気持ちを伝えることは、杏にとって辛いことなのかもしれませんね。

今は応えることはできませんし


重荷になりたくないと言う泉は、大人だなと思いました



「よし!切れたな!こんだけあったら足りるやろ」

話に必死で、私はあんまり役に立ちませんでしたね。殆ど杏が野菜を切り終えてくれました。


お嬢様なのに、家事もできるんですよね、この子


私は杏を見守ることにしましょう


泉達の気持ちが、彼女を傷つけてしまわぬように。


好かれることは幸せなことなのに

彼女にとってそれは、重荷になってしまう



悲しいですが、それが今の現実なんですね……



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