愛は惜しみなく与う③


慧も特定の人を作らなかったのは、いつも一緒にいる訳ではないから守れないから

朔もそうだ

泉も…1番我慢していたのは泉だ


そう思うと杏も同じような気持ちだったのかと。

杏が烈火に入るときに、泉と手合わせしたのを思い出した。


あたしが守らんでも大丈夫なくらい、強かったらええやろ?


そう言っていましたっけ


そう言う事なんだろうな。と思いました

一緒にいるとは覚悟のいる事
杏は昔から、そう思いながら過ごしてきていたんだろうと


「普通に恋愛したいと思ったことはありますか?」


「どうやろな?憧れたりするけどさ?まぁ……好きになっても、その人と一緒には居れへんから」



あぁ、そうだった
そうでしたね。
ごめんなさい、そんな悲しい顔させて

杏の悲しい顔は、みんな嫌いです


東堂の女、婚約者


彼女を縛る事実は、私たちにはどうしてあげる事も出来ない


「もし」






「もし、そこまで好きになれる人が出来て、もし…どうしても一緒にいたいってなったら。

あたしは東堂を捨てるかもな」