愛は惜しみなく与う③


「強くないとダメなんですか?」

「いや、ダメちゃうけどさ?普通に考えて、自分より弱かったり頼りなかったら、あたし、甘えたりとかできひんし」


そうバッサリと言う
確かに…杏は、甘えない。
自分のことはパッパと済ませてしまうし、周りの面倒をみる。

ただ喧嘩が強いだけじゃないんでしょうね、杏のいう強いって言うのは


「まぁ、そう思ってたけど、大人になれば強いとか、どーでもええんやろうけどな」


ふわりと笑う杏は
私から見ても確かに可愛いです。告白される理由も分かります。  
薔薇の総長って、言われなきゃ絶対気付きません


どこにそんな力があるのか分からない細い腕に細い足

手も思ったより小さい


「彼氏つくったとしても、あたしと一緒にいたら、いつ狙われるか分からへんし。守らなって思ったら、もう好きな人ってよりも護衛感が強くなりそうやし。昔は心配せんでもええくらい、強い人ならええなって思ってた」


初めて聞く杏の話

杏が話す内容は、いつも私たちが思ってきた事だ