泉の前で急に脱ぎ出した奴!
とか変な風にみんなに言いそうやん
あたしの嫌な想像とは違い、新は違うことを思っていたらしい
「朔も慧も、嫉妬して怒りそうですが…」
ボソっと言う新の声は聞き取れなかった
「杏って、ほんと鈍いですよね」
この言葉は綺麗に聞き取れた
鈍い
たまに言われるけど、そう思ったことがない
「鈍いって思うのは、新の勘違いやで?」
「いえ、勘違いではありません。確信してますので」
「どこが鈍い?」
「…人の気持ち?」
ガーーーーーーン
それは泣きそう
「人の気持ちに鈍いって、空気読めへんってこと?人の気持ちも考えれへん奴ってこと?うぅ…うわーーーーん」
居た堪れなくなり、泣き真似して走り去ってやろうかと思ったけど、すぐに「待ってください」と腕を掴まれた
「そう言う意味じゃありません」
「そういう意味以外に捉えれません」
はぁ
大きなため息をつかれて、ほら、切って!と包丁を手渡された
「空気は読めます。みんなのこといっぱい考えてくれてるのも知ってます」



