「なんやろ?捻挫に嫌な思い出でもあるんちゃう?」

「またまたーー杏ちゃんにだけ、あいつ過保護なの。もう俺にも優しくしてーーー」


海斗さんがそう叫ぶと、ちょうど泉が帰ってくる。その手にはテーピングや何やら大袈裟そうなメディカルバックが…


「優しくしてってなんですか?」

横目で海斗さんを見ながら尋ねる泉は、せっせとあたしの手首にテーピングを巻いている

手際がよろしい


「いや、泉は杏ちゃんには優しいなって思ってさ?」

「……優しくしてるから、当たり前」

??

「えー俺にも優しくしてよ」

「……なんで?俺結構海斗さんのこと助けたり手伝ったりしてる方だと思うけど…」


ね?と泉は海斗さんにいう。昔の話を少し聞いたから、なんだか二人を見ていると面白い


「女の子にスケベな奴か!お前は!」


「…はぁ、仕事場戻ったらどうです?」


しっしとあしらわれた海斗さんは、うわーんと嘘泣きして走り去っていった。


本当に賑やかな人や