愛は惜しみなく与う③



「こいつでいいんですか?」


「あの親父の息子だからなぁ。大和は血がは繋がってねーし、なんせ、赤羽さんに気に入られてるから…
けつ拭くのは、こいつしかいねーし」


「女はどうするんです?こいつ売りますかね」


「どーだろうな。女を売るか、俺らの仕事手伝うかの2択だな」


「俺なら女売りますね」


「さぁ、どうかな?あの女、正体はわからないけど、こっちの世界では軽く有名になってきてるよ」


「え?そうなんですか?」


「あぁ……烈火の姫様は、かつて西にいた、薔薇の総長じゃないかって」


「まさか!事件に巻き込まれて、死んだんじゃなかったです?」


「…まぁそうだけど。蘇りとか、言ってる奴らは居るよ」


「変なの。1人の女のために、そこまで動くかな」


「動くよ」


「俺には理解できません」


「そりゃ俺にも理解できないよ。女1人のためになんで………



スコーピオンが動くのか」



「水瀬さん、連絡取れなくなりましたけど、大丈夫ですかね」


「あの人は大丈夫。こうなることを見込んで、消える前に俺たちに作戦を伝えてたんだから…」





車の中での不穏な会話


朔の耳には届かない





----------