愛は惜しみなく与う③

やば
俺寝てた?
自分の血でアスファルトが染ってるのを見て、少しゾッとした
俺生きてるよな?


「今救急車呼んだんで!動かないでください」


どうしよ。助國さんのところ行きたいんだけど。他の病院はごめんだ

でもそうも言ってられないのか?


その前に泉に電話して伝えなければ


電話越しに焦る泉。言葉は冷静でも、声が焦ってる。
また心配かけちまう
杏も…ごめん


志木さんが来てくれることに。もうこの際苦手だけど、来てくれて感謝する

電話を切り、動けないからそのまま倒れたままでいた。

志木さんが見つけてくれるだろう



「大丈夫です!救急車きますので。野次馬はやめてください」


コンビニの店員は、周りに集まった人たちを、追い払ってくれた。


なんだよ気が効くじゃん
そう思って目を閉じようとしたとき



身体をぐいっと誰かに引っ張られる

おいおい
志木さん登場か?もう少し優しくしてくれよ


そう思って目を開けると


え?


「さ、人もいなくなったから、移動しよう」