愛は惜しみなく与う③

杏は俺たちが気にしないように、フードの付いた服をよく着た。
見えないように

悔しいよ


杏のことが好きなのに素直になれない自分にもむかつく

杏の執事が来て…
泉はなんか仲良くなってたけど。
俺は…仲良くなれない。
だって、泉のことも蹴飛ばしたし、杏のこと好きみたいだし…

俺がガキなだけか


別に悪い人じゃないのも分かってるけど、杏が信頼してる奴だってだけで、むかつく



はぁ

俺ってこんな、みみっちい奴だっけ?


自分の不甲斐なさを感じながらコンビニまでゆっくり歩く


とりあえず今は

次の大きな戦いになりそうな、赤羽組とsilver KINGのことを調べなきゃな!

それを片付けて、俺たちの周りをウロチョロする奴らがいなくなれば


杏を堂々と守っていけるから



意気込んでた
俺ってさ、やっぱ馬鹿だから
動くしかできねーんだ


そう思ってたとき



自分の足元の影が、おかしな事に気づいた


でも遅かった



ゴンッ


という鈍い音とともに、俺の体は地面に叩きつけられた

何が起こったか分からないけど

頭が割れるように痛い