愛は惜しみなく与う③

すぐに行かなきゃ。
響は早く!と言い、出口へ走る

「白瀬、車貸せ」

「若。裏に止めてあります」


白瀬さんから鍵を受け取り、裏口の車に乗り込む。
こわいな
誰かが怪我して…その側にいてあげれへんかったって事は、とても辛い


車に乗り込んですぐ、志木から電話が


「どう?血止まりそう?助國さんのところの住所送ったけど!」


既にたどり着いたであろう志木からの連絡。ある程度医療関係にも詳しい志木やからこそ、傷の具合も把握できると思う


でも

あたしが質問した答えは返ってこなかった




『あの後1分ほどでコンビニに着きましたが、朔さんの姿が見えず。既に救急車で運ばれてしまったのかと、店の店員に聞いていたら、コンビニに救急車がきて…患者はどこかと。いま、コンビニが騒然としています』


ちょっとどういう事?
朔がおらん?救急車は志木の後に届いた?

ってことは


朔はどこへ行った?


「周り探して。パソコンは?ある?こっちにいる組員使っていいから、探して」


『……かしこまりました』