愛は惜しみなく与う③

「私は修繕作業に戻ります」

「おい、待てよ。何か知ってるだろ」

「いいえ。私が見た時には、杏さん1人でした。お話は彼女からどうぞ」


何かあれば。
それだけ告げてゴトウさんは、出て行ってしまった

ほんと、言わないでってお願い、聞いてくれた


大きな部屋にポツンと2人



「懐かしいな、この部屋で2人なん」



パパちんが倒れて…そんで泉とパパちんが仲直りできた。



「杏?何があった?ハザマさんと飲み物取りに行かなかった?」

「うん。そうやねんけどな。ちょっとなんか…あたしもまだ混乱してて…」


何から話す?
今ここで言う?ほんまは少し自分の頭整理してから泉に話したい。
それに志木にも言いたい


でも今言わなきゃ、泉はおかしいと思うよな

あたしのこと心配したままになってしまう


……でも言いにくい



「杏?何かうちの組のやつにされた?」


首を振る


いつからあたしは、こんなに弱くなってしまったんだろうか。
スコーピオンの…サトルに復讐できるなら、他は何もいらなかったのに