愛は惜しみなく与う③

正直戸惑い過ぎて会話は最初入って来ませんでしたが…


「大和(ヤマト)はどこだ」


それだけ尋ねて来た


大和は朔の、義理の弟の名前

どこだ?ということは、義理の弟が行方不明っていうことですかね



父親がなぜ、弟を探しているのか、そしてどうして私の家に来たのか
朔がここにいると思ったのか。

きっと私に探して欲しかったんだと思うんです。どこからの情報で、私に辿り着いたのか分かりませんが



「お引き取り下さい」



冷たいと思われても構わない。私は朔の父親を…父親だなんて思ってない。

この男は、嫌いです



「大和を連れ去っただろ!」



家の前で大きな声を出す。
こんな人でしたっけ?元から頭のおかしな大人だと思ってましたが…

最後に吐き捨てた言葉で


手が出そうになった




「大和は、朔と違って、俺たちの本当の子供だ!!あいつが嫉妬して大和を連れ去ったんだ」



そう叫ぶ朔の父親


手が出そうになった時



後ろから父さんが玄関に出てきて、私の肩に手を乗せて、男に言った



「うちの息子に何か用ですか?近所迷惑なので帰ってください。それに朔も、あんたのこと父親だなんて思ってませんよ」