む、無能には見えへんけど…
なんと言っても志木は、完璧や。仕事も頼んだこともすべて完璧にこなす

でも!!


「1ヶ月は長すぎるやろ!!」

「嫌なんですか?」

「うん、嫌や」


あたしが即答すると、突然車のアクセルをベタ踏みする志木


「ぎゃぁああ」「あほーーーー!」


朔の悲鳴に、あたしの叫び声


「悲しすぎて、このまま心中しそうです」

「無理心中!?!やめて!ほんまやめて!ごめん、あたしが悪かった!1ヶ月是非とも遊びに来て!!」


早口で捲し立てるように言うと、志木は微笑み、高速道路の法定速度に戻した


はぁ


死ぬかと思った



「あんたほんま、やっぱり狂ってるわ」


「ふふ。杏さまと同じタイミングで死ねるなら本望です」


黒い笑顔の志木を、後部座席の2人は震えて見ていた。朔なんか涙目

「やっぱりやべぇよ!」

朔が泉に耳打ちしているのは、丸聞こえやけど、志木は特に反応しない



しっかり話せてから志木とは、なんだか絡みやすくなったけど、やっぱり狂ってる部分は素やから、治らへんみたいや