「どうして?妹がいれば、杏は東堂から離れれるんじゃないのか?」


「……そんな事をする前に、杏様は壊れてしまう」


悲しい顔

妹は生きていたという事実は、杏を喜ばせるものではないのか


「杏様の覚悟は生半可なものじゃありません。ただ妹が帰ってくるだけならいいですが、あの事件で、もし妹とスコーピオンが手を組んでいたとなれば……
杏様は必ず壊れます。これは必ず。だから何が何でも阻止したいのです」


そういう志木さんの決意もまた、固かった
俺に話してくれたのは、杏の耳に入らないようにして欲しいからだと。

もし何か情報を掴んだとしても、杏には言わないで欲しいと。



軽く聞いただけだが、妹とサトルは…絶対何かを企んでいる。


「しかし、私の頭もスッキリしたので、殺すという発想は、やめにします。杏様が悲しむので。他に方法を考えます。ですから…」


俺の話が伝わっていたと思うと、少し嬉しかった




「杏様を頼みます。あなたを信じますので。どうか、守ってください」




志木さんは頭を下げた