愛は惜しみなく与う③

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「杏様の妹の鈴は、生きています」



杏に呼び出されて、志木さんと2人になる。杏は朔と一緒に病院の食堂へ行くらしい。

俺と2人で話すこと?


なんだろう


杏に手を出すなとか言われるのかな?そう不安に思いながら志木さんの所へ行くと


第一声でこれ。



混乱とか言うレベルじゃない。
本当に何を言ってるか分からなかった。



「どこまでどう、話を聞いてるか分かりませんが、貴方に伝えたいのは、これだけです。
いつ向こうが動き出すかは、流石に把握していませんが、私の方でなんとかしますので、杏様の耳に入らないようにだけしていただきたいです」



淡々と話を進める。最初の言葉しか頭に入ってこないけど?


「あの、いいですか?」

「ええ、どうぞ?」


まぁとりあえず座ってくださいと言わんばかりに、俺のほうに椅子を押しやる


とりあえず座る



「俺は、妹がスコーピオンのサトルに殺されたって聞いたんですけど…」


「はい、私もそう思ってました。けど、おかしな点もあり、私はずっと杏様に内緒で調べていました」