----


杏様

ありがとう。全て伝えてくれて。


志木の気持ちには応えられない


そう言われた時、心が軽くなった


ずっと大好きだった。自分のものにしたかった。
でもその気持ちがしんどくて、独占欲なのか家族愛なのか、何がなんだか分からなかった。

ずっと側に居たから


妹のように可愛がっていると昔は思っていた。なんでも世話を焼いてやりたいし、なんでもしてあげたかった。


他人なのに、そんなに一緒にいるのはおかしいと言われた事もあった。


恋人なら普通だとも言われた。


じゃあ私のこの気持ちは、恋なのか。そう思い込んだ。

正確に言えば、家族愛も恋愛としての気持ちも、どちらも強かった


それが苦しかった



独り占めしたかった。でも杏を外の世界に出してあげたかった。


だから私は、中学生の時、杏を外へ連れ出した。


喜ぶ顔が見たくて


そのまま時が過ぎて、杏は想像の100倍強くなってしまったけど、気持ちは変わらなかった


結論を言えば


側にいたかった