志木ならあたしを1番に考えてくれて、笑顔でいれるようにしてくれたのに。

あたしが志木を押さえつけてた


あたしの分も志木が悲しんでくれた



「ほんまに、ごめん。今までずっと。あたしの我儘に付き合わせてごめん。志木を縛ってごめん……志木から笑顔を奪ってごめん!!」



声が出た

こんなに大声で泣いたのはいつぶりだろうか


ずっともやもやしてた。
志木の気持ちを知ってて縛って、嫌なことばっかり付き合わせて。

最低や、あたしは



「好きで居てくれて、ありがとう」



目が熱い
頭も痛い

でも、やっと言えた



「バカだな、泣くなよ。俺こそ、泣かせてあげれなくてごめんな。いつも強がってるの知ってたし、1人で泣いてるの知ってた。
俺のそばで泣かせてやれなかった。ごめんな」


志木に抱きしめられて、その温もりであたしは、東堂財閥ですごした、幼い頃を思い出した


いつも側には志木がいた



「ちゃんと話してくれてありがとう」



あたしの目元を志木が手で拭う。
目があって、一緒に笑った


ようやく言えたよ



志木いつもありがとう



強がりばっかりごめんね


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