「あたしの家族は、志木だけやで」


もう、志木しか残ってないねん

気持ちに応えれへんって言ったら、志木が居なくなってしまうんじゃないかって不安やった


だから曖昧にしてきた


志木を縛ってた




「俺が守りたいって思うのは、昔からだから。縛ってるなんて思うなよ。それは俺の気持ちじゃないから。俺も、杏が笑顔になれる未来を、祈ってる」


烈火の総長、いい奴じゃん。そう言ってくれた

あの志木が…他人を褒めた。初めて


「あいつならいいよ」

「ん？何が？」

「彼氏にするの」




「え！？！？」


急に話が変わってびっくり。志木の顔を見ると、ケラケラ笑っていた。


「俺と結婚しないなら、せめて、俺が認めれる人と一緒になってほしい」


「急すぎやろ…一応どう転んでも、東堂家継がなあかんにゃし、結婚は決まった人とせなあかん。それはもうしゃーないやん？」


そこは変えられへん事実や。
結婚したからと言って、普通の一般の家庭みたいな感じにはならへん。

あたしは仕事をこなしていくだけ