今の志木は、薔薇を作る前
いつも夜に抜け出して2人で遊びまわっていた、あの頃の志木みたいや
「杏は、笑顔が1番。それは俺も思うよ。だけど俺は、杏と一緒に落ちていくことは出来るけど、引っ張り上げていく力はない」
「そ、そんな事ない!あたしは志木にいっぱい助けてもらった!」
「うん、だけど、俺が杏にしてあげれるのって、限られてるから。だからさ?俺にそれをさせて欲しい。
俺も俺のやり方で、杏を守らせて欲しい。」
な?いいだろ?
そう笑う志木は、初めてあたしを部屋の窓から外へ連れ出した、あの時の笑顔
「隠してる事はある。でもサトルに辿り着いて、あいつを追い詰めれるその時には、しっかり伝えるから。今はまだ、待って」
お願い
志木は力なく笑う
あたしは胸の奥がギュッと掴まれたような感覚に陥った。
そうか
あたしも志木が大好き。頼ってる。信頼してる、ほんとに。
だから
「分かったよ。志木を信じる。だから、志木もあたしを信じて欲しい」
あたしも頑張って強くなるから
志木を心配させるような事も言わんし、そんな行動もせん



